銀行が破綻すると預金者が被害を被りますが、証券会社が倒産しても、その証券会社による顧客資産の分別保管が適切になされ、違法行為を証券会社が行わない限り投資家に被害が及ぶことはありません。(銀行で投信を購入した場合も同様です。)
「証券の保護預かり」とは文字どおり預かっているだけですので、万一の場合は投資家に戻されますし、投資信託についても投資した証券の現物は受託機関である信託銀行により管理されているので、換金することができます。株式などは、株券が金庫に保管されており、通し番号から顧客が特定できるので返却されます。
ただし、株式や投資信託を売却した後の一時的な預かり等の預り金等(預かり資産)は、顧客が特定されておらず、経営破綻に陥った場合に顧客に返還されないことがありえます。
そこで、証券会社の経営破綻により有価証券等を寄託している顧客が被る損失を補償する目的で、「寄託証券補償基金」が1969年に設立されました。
さらに、この度の金融システム改革法では
◆ 投資家保護の徹底を図るため、証券会社の顧客資産の分別保管義務が一層強化され、証券会社の経営破綻時に、返還されない恐れのある顧客の預り金等についても「顧客分別金」として国内において信託銀行等に信託し管理されます。
◆ また、法律にもとづかない「寄託証券補償基金」に代わって、1998年12月1日には証券取引法にもとづく『投資者保護基金』が設立され、万一、証券会社の破綻の際に、寄託有価証券や預り金等が返還されないことにより、一般顧客が被る損失を1金融機関あたり元本1000万円まで補償する制度が整備されました。
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